白緑蝶"Ice green butterfly

俺が降り立った場所から
ユラの職場までそう遠くはない

俺は今、全速疾走で
夕方の街を駆けていた。

立ち止まってタクシーを
捕まえている時間があるなら
一秒でも早くユラの元へ。

ユラを、また捕まえる為に
俺は走る。

そこは、西洋の物語に出て
きそうな緑溢れるお洒落な
外観の建物。

その建物の前に立ち、荒い息を
吐く空はトレンチコートの袖を
捲くりあげ、ドアに手をかけた

カランカラン

「いらっしゃいませ

 あらっ、ソラさん?」

店内には、ユラの姉である
すずだけがいた。

花に触れ手元を見ずに
手を器用に動かす彼女は
とても驚いた顔をしている。