天使の涙と共に、この部屋から
消えたもの

それは、ユラ・・・おまえだ。

ここは、湊の店・・・

ガシャーン!ドターン!

「もう一回、言ってみろよ」

瀬名の胸倉を掴み至近距離
で睨み付ける空を、後ろから
羽交い絞めにするのは、崇。

「ソラ、やめろ」

二人の距離を引き離す、崇だが
空は、掴んだ手を放さない。

瀬名の頬は青く腫れ唇に
赤い血が滲む。

傷ついたその顔をもっともっと
殴りつけて遣りたい。

でないと、俺の気がすまない。

「放せよ、放せ」

瀬名の胸倉を掴む手を退けた
空は、自分を押さえる崇の手を
力ずくで解いた。