『天使の涙を、貴方が今も
 大切にしてる事

 私、知ってるのよ』

こんな葉よりも、俺が大切に
想っていたのは、ユラ

おまえだ・・・

『ユラ

 そんな女は

 この世のどこにもいない』

「ははっ
 夢だったってわけ?

 全部、夢・・・」

空はその場にしゃがみこみ
土に触れ、握り締める。

流れる沈黙・・・

土を握り締めた、空の手に
一粒の雫が落ちた。

「マジ、情けねえ」

腕で涙を拭う、空。