白緑蝶"Ice green butterfly

「ああ、まあな」

そう言って貴方は照れくさそう
に微笑み、額の汗を拭った。

黒いジャケットを翻し飛ぶよう
に走る貴方は、きっと夜空を
舞う、吸血鬼のよう。

「お前のせいで疲れた
 
 はあ」

息が洩れる、その赤い唇に
触れたい。

そんな風に思ってしまった私が
今夜、貴方から逃げる術はない

「行こう」

貴方は、私の肩を抱き

二人は、夜の街を歩く。

「お前、飯、食べた?」

「いえっ
 まだ、食べてません」

「そう、よかった
 
 うまい店
 連れてってやるよ」