白緑蝶"Ice green butterfly

信号が青色に変わろうとした
その時、タクシーのドアを
強く叩く音がした。

「今度は、何事」

停車したまま、ハザードランプ
を点滅させて、運転手は
シートベルトを外した。

「あの、私
 ここで降ります」

開かれるドアから伸びる手に
私の左腕が掴まれた。

力強く握り締めるその手が
誰の手なのか私は知っている

痛い・・・痛いよ。

聞こえる、貴方の声。

「運転手さん、幾ら?
 
 ・・・・・ありがとう
 つり(銭)は、いい」

「ありがとう」

私は、お礼の言葉を告げて
タクシーを降りた。

閉まるドア。