『これっきりにして』

私を悩ます、天使の涙。

『わたし
 
 ここにいるよ』

もう

ため息さえ出ないよ。

雨に濡れて帰宅した、あの日
ソラは、玄関先に飾られた
バードゲージを手に取った。

バードゲージには、天使の涙

「ソラ?」

「見たくないだろう?
 
 とりあえず、どこか一箇所に
 集めよう・・・」

私は、ソラの腕に触れる。

「ソラ、いいの

 隠したり、譲ったり
 捨てたりすることないよ

 かわいそうだよ

 このまま
 置いててあげよう」