目の回るような毎日が続く。


学校に行き、放課後には女装アイドルとして活動して、家に着くと泥のように眠る、その繰り返し。


明日からゴールデンウィークに突入。


アイドル活動もいよいよ本格化だ。


「蒼斗、疲れてるね?」


心配してくれれ果夜がいるから頑張れる。


毎日帰れば、授業中居眠りしなかった?


お腹空いてると思って。
ハイ、蒼斗の好きなごまむすび!


肩こってるでしょ?
揉んであげよっか?


気遣ってくれる果夜。


なぁ、果夜。


やっぱさ、オレ達は恋するためにこんな近くに産まれたんじゃないのか?


オレはこの距離を否定じゃなく、肯定したいよ。


なぜこんなに近い?


なぜこんなに想わせる?


触れたい。


触れたい。


抱き締めたい。


なのにどうして許されないんだろう。


こんなにも。


好き、なのに。


伝える術がないなんて、辛いだけの片想いだよ。


辛い分だけ、どうしようもなく想いが募るよ。


心が必死になって求めてる。


果夜…。