ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜

「これで3人揃ったわね?」


「3人?」


「そう。わたくしと万行。さぁ、万行、話していいわよ」


運転手の万行さんがアクセルを踏みながら話し出す。


「この度、お嬢様との婚約が決まりました」


「…は?」


「万行はね、母方の従兄弟なの。わたくしの運転手と兼務でお父様の仕事を手伝ってて。前からそんな話はあったのよ。わたくしと万行で今後の蝶野家をしょって立つっていう話。それが、とうとう…昨日お父様から告げられたわ」


「お父様の言葉は絶対ですから。それにボク自身、幼い頃からアリエルお嬢様のお側にいさせてもらって、誰よりも…愛しています」


「そう…か」


アリエルは何も言わず、オレの手を握った。


「お願いが一つございます」


「オレにできる事なら」


「お嬢様に思い出をください」


「…思い出?」


万行さんはウィンカーを出し、車を道路脇に止めた。


オレの目をじっと見て。


「抱いてほしいんです」


そう言いながら、切な気でそれでいて愛おしそうな目でアリエルを見た。