また背中をつつかれたが、無視して前を向いていた。


流れ通りオリエンテーションだとかで、みんな立ち上がると同時に、ガタガタと鳴る椅子の音。


「さっきのゴメンな」


小暮が言うので、


「平気、平気」


と、曖昧に返した。


その曖昧さが誤解を招いたらしく、小暮はオリエンテーションの間中、隣でしゃべり続けていた。