「ねぇ、姉弟デート、久しぶりだね?」


アイスティーを飲みながら果夜が笑う。


極力目立ちたくない佑季が選んだこの喫茶店はかなり年期が入っており、相当ひなびているが、今のオレにとっちゃベルサイユだ。


「そうだな。でも、友達とは出かけたりしてるんだろ?」


「うん、たまに。でも蒼斗に晩ご飯作って待ってたりしてるのも、好きなんだ」


呼ばれた名前と“好き”だけが連呼してなんか…照れてるオレってバカ、か?


「どしたの?蒼斗、顔が赤いよ?」


「いや!いや!何でもないっ。なんか暑くね?」


「そうかな?節電のせいかも」


何を今更オレはテンパってんだよ…。


マジかっこ悪いし。