「スマン、恭平」


「いいって、いいって。それよか大丈夫か?今日もイベントだろ?」


「んあ。最近のオレの営業スマイルって、枯れてるよな」


「いや。逆に板についてきててコワイぞ」


「そっちの心配かよ」


オレ達の会話に車内のいつものメンバーが苦笑する。


アリエルは、というと。


あの日、あのキスからすっかり彼女気取りで、日に10件以上メールを送ってきたり、《チェリー》の帰宅後、オレのケータイを鳴らしたりしてくるが、一切応じない。


それがかえって恋の闘志を燃やすのか、隙をみて2人きりになっては、


「冷たいわね?」


なんて笑ってみせる。


ただオレに気を遣ってか、“ネイルのメール事件”に関して佑季に謝りをいれ、また元の3人通りやっていける事については、正直助かった。


アリエルからアタックを受け続けながら、佑季のグチを聞きながら…じゃ、オレのライフもピロピロリーン♪だ(よくあるRPGの死音)。