次の日は、自分の生まれ育った街をゆっくり歩いて目に焼き付けた。


"一生帰ってこないわけじゃないんだからー"って、呆れ顔で笑うお母さんの目には、涙が溜まっていた。


「ちゃんと連絡しなさいよ。」


「うん......」


「辛くなったら、いつでも帰っておいで。」


強く抱きしめてくれるお母さんの温もりと優しさがとても暖かくて、涙となって私の頬を伝った。




「本当、涙もろい親子だな!」


お父さんと弟が私達を見て、笑う。



「姉ちゃん、大学で彼氏作れよ!」


そう言ってにこっと笑う弟の隣で、お父さんは慌てている。

その姿が可笑しくて、つい意地悪を言った。


「次、帰ってくる時に連れてくるよ!」


私の言葉を聞いて、お父さんがシュンとした顔になったので、みんなで大笑い。


「父さんには俺がいるだろー?」


「そうだな!」


茶化す弟に、急に明るくなるお父さん。




明るくて、とても優しい家族が大好きです!