「あ、ありがとう...ございます。」



「いえいえ!可愛い子がずぶ濡れになるのをほっとけないよ!
......学校の帰りなの?」



「はい!今日、卒業式で...」



「そうなんだ!じゃぁ、4月から中学生なのかな....?」



「え...?私、高校生なんですけど。」



「え!?....ご、ごめん!!小学生かと....」




えぇー!!
制服着てるじゃん!!



「ご....ごめんね?」



「いいんですよ....よくあることです...」



今まで中学生って言われたことはあったけど。
小学生.....初めて言われた...



ショックで急に暗くなる私に、男の人は必死で機嫌をとってくれていた。



焦りつつも、必死に話しかける男の人がとても可愛く思えて、途中から私の顔からは自然と笑みがこぼれていた。



「あ.....家ここなんで。ありがとうございました!」


玄関へ向かいながら、男の人にお礼を言う。


「いいって!俺も家こっち方面だし!.....じゃ、おやすみ~」


「おやすみなさい!」