「あ....よかったぁ!」


翌日、目を覚ましてすぐに窓を開けると水色の空と、くっきりした白い雲が見えた。

嬉しくてベランダに出て空を見上げていた。


隣の部屋から、雨の匂い.....

視線を上から左へと変えてみる。

隣の部屋のベランダには、青い傘が干してあった。

いつか見たような、綺麗な青い傘だった......


ほのかに風が吹き、青い傘についていた雨の雫が私の頬に直撃した。


「冷たっ!」

予想以上に冷たかった雫に驚いて、思わず声が出てしまった。


「あ、ごめんね!今.......あれ?キミ....」


傘の持ち主が隣の部屋のベランダから私の顔を覗く。


「やっぱりそうだ!運命の再開?(笑)」


「あー!!あのときの....!」


「覚えててくれたんだ!」


私の目の前で嬉しそうに笑う男の人。

2日前の、雨の日と全く変わらない笑顔だった。