そして翌日。


交通時間も合わせて6時間ほどで引越しが終わりました!


大学から結構近いこのアパートは、新築だから綺麗で広く、大きかった。



手伝ってくれた家族を見送り、買い物へ出かける。


歩いて10分程のところに大きなスーパーがあった。




買い物を終えて、アパートへの道を歩いている途中、冷たい水滴が私の頭にあたる。


え.....雨!?


私が走り始めると、雨は本格的に降ってきた。



「うっわ、ビショビショ.....」


アパートについた頃には、雨で服の色が一段と濃くなっていた。


とりあえず着替えて、ストーブをつける。


空には灰色の雲が、どこまでも広がっていた。



「明日も雨かなぁ....」


私は「亜芽」なんて名前のくせに、雨の日の、憂鬱な気分にさせる灰色の雲が好きじゃなかった。


けれど、嫌なことを忘れてしまいそうなくらい、雨の雫と匂いが好きだった。



ふと、2日前の出来事を思い出す。

....あの男の人、名前聞いておけばよかったなぁ..


なんてこと、今更思っても遅いんだけどね。