「この教室とも、今日でお別れだね...」
親友の真衣の声が、誰もいない静かな教室に響き渡る。
「高校にカッコいい人いるかなぁ~」
「またそんなこと言って~。別れたばっかじゃん!」
「別れたからこそ、出会いがほしいんです~!この学校にはいい人いないしね!」
「はいはい(笑)」
華村 真衣
華元 亜芽
私達は小学生からのつきあいで、出席番号が近いことからよく話すようになり、今ではなんでも話せる.....かどうかは分からないけど、親友です!
そして私達は今日、高校を卒業します。
校門では、3年間通ったこの学校に別れを告げる生徒であふれかえっていた。
「4月から大学生かぁ。なんだか、あっという間だったね。」
「うん...。亜芽は一人暮らしでしょ?いいなぁ~!!」
「えへへ。明後日、引越しだよ!」
地元の専門学校へ進む真衣とは違って、私は県外の大学。
4月からは一人の生活が始まります。