「ひど〜、なつが死ぬ事が前提じゃん。」。

「それが、そうじゃないの。」。

「おばさん…。」。

駒野の怒りの声を咲子が否定した。

「手術前に来た時、奈月が広げた折り紙見て泣いているから、私も読んでみたの。そしたら、何枚かにわたって書いてあって…。それは、覚悟の部分ね。」。

「そうなんだ…。」。

駒野は、杉山を見てから、咲子の後ろに隠れている奈月を見た。

「なつ、うらやましいね。めちゃ愛されてるじゃん。」。

そう言った駒野の目は光っていた。

奈月は小さく頷いていた。



番外編【千羽鶴】…終わり