な、なんでキングがアタシの腕を掴んでるの!?

一人パニックに陥ってると、キングが耳元で囁いた。

「お前の名前、何?」

名前……?

なんでいきなり??

「あ、綾羽」

疑問に思いながらも、アタシは小さな声で答えた。

キングは、アタシと同じくらい小さな声で『わかった』といった。

そして、次の瞬間、キングは大問題発言をした。


「俺、これから昼は毎日彼女と食うから。な、綾羽」


ええぇぇぇぇぇぇぇええええッッ!?

たぶんみんなこう叫んでたんだと思う。

でも、アタシは混乱しすぎていて耳にいれている余裕がなかった。


「いくぞ、綾羽」

そう、一言だけ言ってまだ混乱しているアタシをキングは引っ張ってなんとか騒がしい廊下を抜け出した。