恋愛以上は持たない―…。

そう決めていたあたし。

メイドが王子に恋をするなんて…好きだなんて…。

そんなの…誰が考えても認められるはずがない。

認められないの…。

だから「好き」の気持ちは一生封じ込めたまま―…

そう、「好き」だなんて―…

「…き…づき…魅月っ!」

「はいっ!」

「…ったく、何ボ~ッとしてんだよ…。」

だって…隼人のこと考えてたんだもん…。

「…はい…ごめんなさい…。」

「こんどからは気を付けろよな!」

「…はい。」

中1になって、あたしはこの隼人のの専属メイドになった。

もちろん、小学生から同じ学校だったし、友達的な存在だった。

けどメイドは必ず敬語って教えられてるんだよね…。

だから結構親しい仲の方…なはず。

洗濯やら皿洗いやら、なんでも押しつけられる…。

正直、実が持たない…。

「で、早くやれよ。」

「…へっ?な、何を…ですか…?」

「お前だからちゃんと聞いてろよな…。」

「…っ…は、はい…。」

…はあ…何でやっちゃうかなーあたし…。

「よし、じゃあやっとけよ、掃除!」

「はい…」

とか言ってても、本当は隼人のこと好きだったりする…。

でも王子とメイドは結ばれるなんて有り得ない。

だからこの「好き」はずっと心に封じ込めてる―…