しかし、顔が近い。
ここまで整った顔を間近で見るのも初めてだ。
いつの間にか魅入っていた。
「その辺にしとけば~?相手もいやがってると思うよ?」
山崎がニコニコとした口調でしゃべる。
その言葉で我に還った実瑠はこの状況を瞬時に察知し、己の口をふさぐ土方の手に噛み付いた。
「・・・っ!何しやがんだこのアマ!」
「ううう、うるさい!ずず、頭が高いわ、ぼけナス!異常に整った顔近づけんな!!」
土方はやられたらやり返すという性分なのか、顔を真っ赤にして口を手で押さえる実瑠の頬に手を添える。
「え、何、」
ガンッ
そして加速を付けて頭突きした。
「いっ、いいいいっいったぁああ!!!」
「喧嘩はやられたらやり返す、分かったかこの糞餓鬼が。」