「はいっ、終了。一応止血はしておいたからね~」


「ありがとうございます!」



「・・・お前、本当に未来から来たのか?」


土方は傷の事を少し気にしているのか、実瑠のぐるぐる包帯を巻かれた右手を控えめに見ながら言う。



「そうですよっ!ほかにも知ってますよ。えー・・と・・」



母との日常的な会話を必死で思い出す。



『新撰組はねぇ~、正義の味方ってわけでもないのよ、身内の暗殺だってしてるんだから!』


『へぇ、ひどいねー』


『そうでしょう、そこがいいっていうか。近藤一派が、暗殺するのよう!』



「え・・と、誰だったっけ!!!」


確か、せ、せ、


「せ・・・せり、芹沢、あ!芹沢鴨!!」


実瑠がその名を口にしたとたん、土方の肩がびくりと僅かに揺れる。



「そいつが、どうしたんだ?」


「こ、近藤一派が暗殺したん・・・むぐぐ!」


土方が実瑠の口をふさぎ、顔を近づける。


「おいお前?未来から来たからとて調子に乗るなよ?次は左手に傷残してやるからな。」



土方の睨みに、実瑠は必死でこくこくとうなずく。