「ほら、怪我した手出して~」


「はい。」



どこから取り出したのか、山崎は救急箱を取り出す。



「はい、ちょっとしみるよ~」


山崎は実瑠の手の血をふき取り、消毒液を満遍なくぶっ掛ける。


「ひっ、ぎゃあああああ!!」


傷は膿んではいないものの、出血がひどい。
深めの傷だ。


「まぁ、刀傷だから当然の悲鳴だろうけど・・・うっせぇから黙れ」


「・・・ひ、ひぃ」


山崎の驚きの変貌ぶりに実瑠は恐怖のあまり悲鳴を漏らす。
それが気に入らなかったのかなんなのか、山崎は実瑠を再びにらむ。


「返事は?」


「はい!」



「まったく、土方さんも手荒な真似したもんですね~。一生傷跡残りますよ、この手。」


「うるせぇ。」


山崎に軽くにらまれた土方は、目線を逸らした。