屯所という所は、木造建築になっていた。
和風の広い家みたいな感じだ。
「ほら、まわりばかりに目を向けないで歩いてください。」
背中を押され、渋々とまた歩き出す。
「でも、久しぶりにこんな家みたな・・・うちのまわりの家、木造建築なんてなかったからなー・・・」
他の部屋をのぞき見るかぎり、畳の部屋ばかり。
うちには畳もない。
「?・・・何をいってるんですか?」
「いえ、何も。」
「ほら、ここの部屋です。ちゃっちゃと入ってください!」
「はい・・・」
渋々と襖をあける。
そこには、厳つい顔の男の人と、先ほどの男(たしか土方)が座っていた。
「失礼しまーす・・・」
「ああ、君が実瑠くんか。さ、ここに座りたまえ。」
「はい・・・」
ゆっくりと用意されていた2つの座布団のうちの一つに座る。