ホントは、手を出しそうになった。
でも、こんな情けない姿でできない。
それに、初が病院なんて…

俺の腕の上に、天の頭がおいてある。
たまに柔らかい髪の毛がかかる。
シャンプーのいい匂いがする。


ケータイを取り出して、写メを撮った。

さっき撮られた仕返しだ。

斜め上から見る、天の寝顔……
愛おしくて、愛おしくて。

「守ってやれなくて、ゴメンな。」

伸ばしていた腕を曲げて、天を近づけた。

「天…」

今、俺は何ができる?
強く抱きしめるしかできない。
力強く、ずっと、ギュッと。