「ドラゴン警部ー!ドラゴン警部、ドラゴン警部ー!」

声の主は女子高生隊員、パペリーノだった。

先日までポッコラ監督率いる探偵団にスパイに行っていた、優秀な描写人造人間だ。

パペリーノはユシャの隣に座ると、両手を胸の辺りで構えた。

右手にはブタ、左手にはヤギのぬいぐるみを持っている。

「パペリーノのショートコント、『手紙』」



「ちょっ、ちょちょーい! どうしたどうした、パペリーノ!」



『ねえねえ、ブタくん、ブタくん』

『なんだい、ヤギくん』



「勝手に始めちゃったよ!」



『ブタくんはどんなものでもペロリと食べちゃうって聞いたけど、本当?』

『もちろんさ! トリュフでもキャビアでも豚足でも、なんだって食べれるさ』



「豚足はやめとけよ!」



『じゃあ、手紙も食べれる?』

『手紙? ああ、食べてみせようじゃないか。どこにあるんだい?』

『僕の胃の中』

『…………もう君が食べちゃったんだね』

『パペットマペット!』



「……………………」



「……………………」



「……………………」



「……………………えーっと、手紙が届いたのかな?」



「そうです、ドラゴン警部! そうです、そうです!」

パペリーノはヤギのぬいぐるみの体内から、青くて丸い手紙を取り出した。

「怪盗レッカからの予告状です!」