「チッ、もうすぐ怪盗レッカから予告状が届くというのに女子高生と人生ゲームだなんて、ずいぶん余裕ですね、ドラゴン警部」



 アルミのピクニックテーブルに広げた人生ゲームが敏感透けパン刑事……否、敏腕スケバン刑事のあっきーに見えるよう、体を端に寄せる。

「まだ予告状は届いてないわけだし、慌ててもしょうがないじゃん。あっきーも人生ゲーム、一緒にやる?」



「チッ」

敏感焦げパン刑事……否、敏腕スケバン刑事のあっきーがまたしても舌打ちをする。

「ドラゴン警部がそんなんだから、“怪盗レッカ対策室”がこんな場所に追いやられたんじゃないんですか?」



 僕をトップとして発足された“怪盗レッカ対策室”は、都内にある「白身公園」の中央にあった。

ピクニック広場と名付けられた公園内の広場の片隅で、ピクニックテーブルを広げた場所。

そこが“怪盗レッカ対策室”だった。



「警視庁内にいるより、開放的でいいじゃん」

僕はユシャがさりげなく紙コップに入れてくれたオレンジジュースを口に運ぶ。

「時にはこういう優雅な時間も必要だよ」



「チッ」

カンカン透けパン刑事……否、敏腕スケバン刑事のあっきーが僕の隣に腰かけ、新たな車を人生ゲームのスタート地点に置く。

「ドラゴン警部がどうしてもっていうなら、一緒に優雅な時間を過ごしてあげますけど」



「………………ツンデレ?」



「ドラゴン警部ー!」

今度は僕の正面、ユシャの後ろ側から、僕を呼ぶ声が聞こえてきた。