言葉~ことのは~【短編】

大学へ入って良かった事は、実家を出て一人で暮らせるようになったことだった。

私を知らないこの町で私を束縛するものは、何もなかった。

母に望まれたことはしなくてはいけなかったがそれも苦ではなかった。


長期の休みに実家に帰らなくとも、母の願いを一つずつ叶えていく私に母は帰ってこいとは言わなかった。


やりたいことは出来る限りやった。

何をしているかを母に知られなければ良いのだ。

幸い告げ口をするような知り合いはこの町にはいない。