「…なんで記憶がねーの?」




「わからん。
朝起きた時には、自分自身でさえダレなのか
分からなかったんだから」



「意味わかんねー。」




外を見れば、さっきまで降っていた雨が弱まっていた

こんな事を知ってしまうくらいなら…
あの時びしょぬれになったって
走ってこの店を出るべきだったかな…

自分自身に後悔をし始めていた


「そー言うと思った。だから言わなかったんだ。」


カズの態度は少し呆れている
俺はそんなカズを見て、イライラが積もり始めてた

「はぁ?!」
俺は荒々しく声をあげる。

それでもカズは動じず、キッパリと言う。

「言っておくけど、ルナには"ハチの記憶"は全てない。」