*恋文戦線*




「…何その格好。」


「…!」

真顔で酷い事を口走る渡辺にひなは睨みながらもほんのちょっと涙目になった。

映画館の前で会ったとたんこのセリフである。

なんて男だ。

ひなは“デート”と言う言葉で変に意識してしまい、昨日の晩散々考えた挙げ句。

結局“変に意識してると思われたくない!”という結論に達し、あえてジーンズにパーカーでこそこそ出かけようとしたところ目ざとい姉に感づかれ、問答無用になんだか普段着ないようなオシャレでガーリーな服(もちろん姉の)を着せられ、ものすごく複雑な心境で映画館にやって来たのだ。

前に二人で来た時は、何も気にせずにいれたのに。

服装がどうとか。

どう思われるかとか。


なんか、やだ。



ほんとに、全部コイツのせいだ。