○○大という単語にひなの母は目を輝かせる。
そんなの目指そうと思ってるだけで既に大物だ。
どうやら渡辺はテストに合格したらしい。
「透哉くん!!晩御飯うちで食べて行きなさい!!」
「はい、ぜひ。」
「ちょっとー!!」
満面の笑みで笑い合う二人に、ひなの悲痛の叫びは全く聞こえなかった。
夕ご飯の準備に母はそそくさと部屋から消える。
「ひな、透哉くんとなら間違い起こしても良いから♪」
「うちの母親のセリフがおかしい!」
扉に消える前の母の発言に、ひなは頭を抑えた。
何を考えてるんだ自分の親は。
扉から目線をひなに移し、渡辺はニッコリと微笑む。
「馬鹿でも風邪引くんだね。」
ケロッとそんな爆弾を落とす目の前の男にひなは目を点にしながら固まった。
「お母さーん!ここに猫被り、いや、狐被りがぁぁ!」
「ちょっと、熱上がるよ?」
猫を被った狐にベッドへと戻され、ポフポフと布団までかけられる。
ブスッとしながらひなは渡辺を見上げた。


