その後も、泣き続ける星華に、うちはそっと傍にいるだけで何もしてあげられなかった。
でも、星華は「ごめんねぇ。もう大丈夫や。」と苦笑いをして、帰って行った。
うちは、何故かモヤモヤして、帰ろうにも帰る気になれなかったから、教室に戻ろうとした。
だけど、不意に誰かに押されて、うちは手に持っていた鞄を落としてしまった。
「あぁ~ごめん~~。桜1人ィ~~??」
やっぱり。
犯人は、星夜。
「もぉ~なんなん!?うち今あんたの顔見たないねん!」
うちは、星夜に怒鳴りつけた。
でも星夜は、ケラケラと笑いながら、
「ひっどいなぁ~(笑)俺は、なんか桜の顔がしおれておったから、笑ってないとせっかくの、美人が台無しよぉ~!って、言お思っとったのにぃ~」
とか言ってる。
星夜って最低。
自分の妹があんだけ悲しんでんのに、こんな変な冗談を言ってる。
うちの怒りは、最上級に上がった。
「最低や!星華のことも考えてやりぃ~よ!星夜なんてもう知らへん!」
うちは、走って学校を出た。
でも、家路を走っている間、思うのは星華でなく、星夜のことばかりだった。