‘キーンコーンーー・・・・。’

あの後うちは、星夜に別れを告げ、教室に戻った。
ちょうど、5分休みだったから、何も言われなかったけど、
担任の先生には、こっぴどく怒られた。
しかも、何故か覗き見をしていた星夜に爆笑される始末。
「最悪・・・・」
そんなことを思っているうちに、帰りのチャイムが鳴った。
うちは、鞄に何も入れないまま、教室を出ようとした。
「さーくーらぁーちゃぁーん!」
不意に誰かに呼ばれて振り向くと、星夜だ。
何人かの、女の子を後ろにつけている。
なんか、いやみったらしくて、うちは頬を膨らませて言った。
「星夜なんなん??」
星夜の周りにいる女の子は、キャーキャーうるさい。
でも、星夜に声はちゃんと聞こえていたようで、
「怒んなや。桜ちゃん、友達いなさそうだから、俺の連れ持ってきたんや。
好きなのとり~~♪」
あ~お節介もいいところ。
なんなん??
まぁ~図星やし、そろそろ友達ほし~なぁ~思っとったから、
良い機会やな。
そんなことを、思っているのもつかの間。
星夜の周りにいるのは、キャーキャーわぁーわぁーうるさい
ろくでもない、女ばっかり。
うちは、周りを良い子はいないか、見回した。
そのとき、後ろのほうに髪の長い、大人しそうな子が、
キャーキャー言ってる女達を、うるさそうに見ていた。
うちは、一目で気に入った。