なんでそんなことが分かるんだろう。
そんなことを思いながら、星夜の跡について、ダイニングへ向かう。
この家に来た時から思っていたんだけど、この家には、生活感という物が、ほとんど無い。
途中、通った玄関に一つ違和感を感じる靴を見つけた。
ダイニングのドアの前。
何故か嫌な予感がする。
「どうした?桜。青い顔してる。」
俯くうちに問いかけてきたのは星夜。
背の高い星夜は背の低いうちの顔を、覗き込むから、小さくなっていた。
「な・・・・なんでもないんや・・・・。中・・・入らんの・・・?」
冷たい態度を取ってみる。
本当は気にかけてくれたこと、凄く嬉しかった。
「可愛くないなぁ~・・・(笑」
言葉とは裏腹の満面の笑みを見せる星夜に、思わず‘ドキッ’としてしまった。
最近星夜といると変だ。
何故か息苦しくなったりする。
でも、そんなことより今は、星華だよね?
「桜?ほんま大丈夫?中入るで??」
小尾にはクエスチョンマークだらけの言葉。
なんだか可笑しくて、笑えてきてしまった。
「・・・・・っ(笑 うん。入ろや。」
星夜はもう一度うちに、笑顔を向ける。
それと同時に、真剣な顔へと、変わる。


‘ドキンッ・・・・。’

まただ・・・。

‘パタン・・・・。’

ドアの閉まる音。
それと同時に目の前に映った光景に、星夜とうちは、言葉をなくし、息をすることも忘れた。