「でも先輩にだったら、 俺、壊されてもいいですよ」 そう言うと、ポカンとした顔で 数秒固まった。 「……本気で言ってんの?」 再び真顔でそう返される。 「本気ですよ」 本気じゃなかったら、 こんな事、怖くて言えない。 「抱きしめ直していい?」 「どうぞ」 了承すると、いつものように 強く抱きしめられて、 そのまま後ろへ倒される。 ……あ、折角のチャンスだったのに。 今回も抱きしめ返すの、忘れた。