「君が応援してくれたおかげだよ!」
そう叫ぶようにいいながら、
先輩はまた俺を抱く腕の力を強めた。
俺、大声出すの苦手だから
あんまり声だししてませんでしたよ。
どうもスミマセンね。
「ドリンク作ってくれたしね!」
美味しかったよ、ありがとう!と、
先輩はそう言ってくれるけれど、
あれ、粉を水で溶かすだけですよ。
感謝なら製造元に言ってくださいね。
「お弁当も美味しかったよ!」
でもあれ、殆ど女子マネ作です。
俺は食べる時にのりを巻くだけでしたよ。
味を褒めるなら、あちらへどうぞ。
少し離れた所にいる、
他の部員たちの世話を焼く彼女たちの方を
遠い目をして見つめていると、
段々と、意識が遠のいてきた。
……先輩、そろそろ限界です。



