先輩たちが、こちらへ近づいてくる。 どうやら、階段を上るらしい。 俺が隠れずに進んでいたら、 きっと途中で追いつかれていただろう。 まあ、やましい事なんて 先輩にはまったく無いだろうけどさ。 なんとなくだ。なんとなく。 今から出ていくのもアレだし。 やっぱりまだ隠れていよう。 女の子に合わせているのか、 先輩はいつもよりも速度が遅い。 俺にも合わせてくれるけれど、 時々引っ張られる。 なんか待ちきれないらしい。 ……今はどうでもいいか。 先輩たちは話しながら、階段を上る。