恋華(れんげ)

必死で抵抗しようとするあたしだったけど、いくら“ヘタレ”の博士モドキとはいえ、男の人の腕力とまともに張り合えずはずもなく、あたしは押さえ込まれてしまった!



「ごめんね、おとなしくしててよ。できれば僕だって手荒な真似なんかしたくない。だってキミのことが好きだから、キミのことを愛してるから」



「…!」

あたしのことが好きだから…。

あたしのことを愛してるから……。



その瞬間、全身からチカラが抜けて、あたしは抵抗するのを忘れてしまった。



「世の中ってさ…」


「え?」


「世の中って、なんでこんなにうまくいかないことだらけなんだろ……?」


「なんだよ、いきなり…」