「ホントありがとね♪」
髙木くん、そんなにやさしくしないでよ。
いまのあたしにやさしさは“毒”よ。
そーいうことされるとあたし、髙木くんのカノジョから髙木くんのこと、奪っちゃうよ。
…って。
ないない。さすがにそれはないって。
こうして何事もなかったような顔をしてコンビニのバイトを終えたあたしは、夜のクラブの仕事へと向かった――――
「ハイ、みなさん、聞いてくださ~い♪ あたし、今からイッキ飲みしちゃいま~すっ♪」
貴志のヤローを食べさせてあげるために給料のいいホステスの仕事にまで手を出したけど、ホントはお酒なんて飲めないんだ。
だけどここにきて、いわゆる“ヤケ酒”っていうものを飲む人たちの気持ちが、ようやくあたしにも分かるようになった。
「ゴクゴクゴク……」


