【短】花火、夏の恋。

「んまそー!」


迷惑だなんて…そんなこと一度も思ったことない。


うちの高校は毎回、週番が出席番号順で二人ずつ。

名字が菊地と北川のあたし達は、三年間ずーっと一緒の週番だった。


それがあたしと菊地くんの唯一の繋がり。


「熱っ!ハ…ハフハフ!」


「あはは!一口は無謀だよー」


でも野球部だった菊地くんは、大会前になると朝の仕事はできなかったし、一日の最後の仕事も練習があるからってできなかった。

その分を全部あたしがしてたから、そのことを言ってるの?


「てかね、週番のことだったら、昼間の仕事は全部してくれてたじゃん?やっぱりあたしもお金出すよ」


授業の準備や黒板消しなんかは、ほとんどいつも菊地くんがしてくれてた。


あたしみたいな子が奢ってもらう理由がない!