【短】花火、夏の恋。

「嫌じゃないよっ」


むしろ、すっごくうれしいです!


「よし!まずはタコ焼き!」


意識しないようにしてたけど、これって何か…デートみたい!?


いやいやいやいや…菊地くんはそんなつもりじゃないんだし、普通に普通に。

だってこれは、スペシャルアクシデント!


「北川ー!あっちで食べよーぜ?」


タコ焼きをうれしそうに受け取り、そのまま少し人混みを抜ける。


「あ、お金!半分出すねっ」


「ストップ!」


声と同時に、バックを開けようとしたあたしの手を菊地くんが握った。


ドキッ!


「俺の奢りでいーよ。北川にはずっと世話になってるから」


「世話…?」


「今までずっと週番で迷惑かけたし」


また優しくニッて笑って、タコ焼きのパックを開けた菊地くん。