【短】花火、夏の恋。

「北川は何食いたい?」


隣を歩けるなんて夢みたい…。

当たり前に超緊張するから、少しでもうまく話すために、気付かれないように深呼吸。


スー…ハー……よし!


「うーん、タコ焼きも食べたいけど、お好み焼きも食べたいし…かき氷もいいなー」


はっ…!しまった!

食べることにやる気スイッチが入っちゃった!


絶対食い意地張ってると思われたよ…。

恐る恐る隣の菊地くんの顔を見上げる。


「ははは!だよなー!俺も全部食いたい」


キュン!


小さな小さなことだけど、笑ってくれたこと、共感してくれたことに胸が熱くなる。


やっぱり優しい!


「あ、そーだ!じゃあ二人で半分ずつ食う?その方がいろんなの食えんじゃん?」


「え?」


「北川が嫌じゃないなら」