【短】花火、夏の恋。

「や、違うんだって!友達にドタキャンされて…」


「はい、それ嘘!男なら素直に認めなさいよっ」


菊地くんが何を言おうが、信じようとしない女の子。

ちょっと怖いぐらい…。


「あたしの誘い断ったくせに!で?この女、夏樹の何?」


絶対年下なのに、超上から目線。

菊地くんの名前も呼び捨てだし。


そしてついに、あたしにも危険が!


「何って…」


チラッとあたしを見た菊地くんと目が合って、あたしの顔は赤く染まる。

ついさっきの気まずさを一人で思い出してしまった。


「……ちょっとアンタ!名前は!」


「北川美波です…」


「ふーん…美波!あたし、夏樹のこと好きなんだけど、アンタは?」