【短】花火、夏の恋。

「って!俺何言ってんだ!今日の暑さにやられたかもっ」


急に立ち上がって、手の平をパタパタとうちわ代わりに動かした。


ど、どうしよう…!

胸が痛いよ!


「あ、えーと…」


気まずーい空気が辺りを包んだ……


そのとき!


「あぁっ!夏樹!」


高い声が大きく響いた。


「げっ!」


分かりやすく顔を引き攣らせた菊地くんの視線の先には、菊地くんを指差す女の子。

誰…?


「夏樹やっぱり嘘ついたー!友達と行くって言ってたのに、女といるじゃん!」


ズイズイっとあっという間に菊地くんに近付いて行く。

迫力はすごいあるけど…中学生ぐらいかな?


妹…には見えないよーな。