【短】花火、夏の恋。

「え?何?どうかした?」


「さっきと同じ反応!あははっ」


本当においしそうに笑顔で食べるから、あたしまで楽しい気持ちになる。

分かりやすいっていうか、素直っていうか…ふふ!


「……笑い過ぎだし、バーカ」


「わ…っ」


コツンと額を小突かれて、すごく驚いた。

顔も当然真っ赤だし、こんなあたしが恥ずかしい!


「うん、けどやっぱ…北川は笑ってる方がいいよ」


ドキッ


何だろ…?

いつもの明るい、ちょっとふざけた感じじゃなくて、下を向いたまま呟くから…心がザワザワする。


「俺が部活でヘコんでるときも、北川の笑ってる顔見たら不思議とスッキリしたし」


そう言ってゆっくり顔を上げた菊地くんも、少しだけ赤いように見えた。

気のせい…だよね?