【短】花火、夏の恋。

「さて、次は何食う?」


タコ焼きをあっという間に完食したあたし達。

まだまだ回りはおいしそうな出店ばかり。


「さっきは俺が決めたから、次は北川な」


あたしなんかが決めてもいいのかな…?

不安な気持ちで菊地くんを見上げると、そんなあたしのことも理解してくれてるみたいに笑ってた。


「……唐揚げ?」


小さな声だったけど、ちゃんと菊地くんには届いてた。


「いいねー!間違いないなっ」


不思議だよね…。

菊地くんが笑ってくれるだけで、あたしは元気になるんだ。


「うまっ!」


またさっきのとこに戻って半分こ。


「……ぷっ!ごめん、あははっ」


かわいい菊地くんのリアクションに、つい吹き出してしまった。