【短】花火、夏の恋。

「あれ?俺、自惚れてた?」


カーッ!


「なななな何言って…!」


たいした意味はないって頭では分かってるのに、言葉にはならなくて、口をパクパクさせるあたし。


けど確かに…男の子が苦手だから、一番関わりがあるのは、週番で一緒になる菊地くんかも。

しかも菊地くんって、誰にでも挨拶してるし、話しかけてくれるから…。


「でも菊地くんは他の子とも仲良いよね」


「ん?妬いてんの?」


「な、何がっ…!」


冗談すら普通に返せないあたし…最悪。

これじゃただの痛い女。


「ははは!悪い!言ってみたかっただけ」


そんな無邪気に笑われると、少しだけ心は救われる。


他の女の子みたいに、冗談だって本当は言い合ってみたいのにな。