「そこは美形っていうのよ」

「どっちでもいいじゃない」

 シレアを見て何やら話し合っているようだ。

 共に十代前半だと思われる二人の少女、一人は緩やかにカーブしたブロンドの髪と大きな青い瞳が魅力的なその名はソシエ。

 お気に入りの赤いリボンをいつも着けている。

 もう一人はセシエといい、可愛いクマのネックレスを身につけ、同じく青い瞳が愛くるしい。

 同じ顔、同じ声、仕草もよく似ていて見分けが付かない。

 性格に少しの違いがあるくらいだ。

 双子の姉妹はいつも一緒にいて、イタズラをしては街の人々を困らせていた。

 しかし、その可愛さについつい許してしまう。

「どうする?」

「決まってるじゃない」

 妹のセシエに勝ち気な笑みを浮かべ、ソシエは軽快に駆け出した。