ネルサが吐き出す炎のブレスは、かすっただけでも身を焦がし体の芯にまで痛みが伝わってくる。

 仲間たちが倒されていく光景に心を痛めても、どうする事も出来ない。

「闘うしかねえだろうがぁ!」

 エンドルフの声は空を震わせるほどに響き、まるで風を呼ぶように轟いた。

「おい、なんか変だぞ」

 別の戦士がふと、轟音が鳴りやまないことに気付く。

 耳の奥から響いてくるような、地面がのたうつような。

 あるいは、空から重たい雲がのしかかってくるような。

「エンドルフ、何をしたんだ」

「俺じゃねぇよ!」

 ──そのとき、大きなはばたきが聞こえたかと思うと、彼らの頭上に巨大な影が差しドシンと何かが降り立った。