多くのエルフが加わったことで、流れが一気に変わる。

 洗練された動きとエルフの高い技術により造られた武器は、鋭く的確にモンスターを倒していく。

「こんなことが──」

 必死の思いで送った親書だが、わたしの意思を汲んでくれることはないと思っていた。

 戦えというのは簡単だ。

 しかし、いくら長老といえども、信憑性の薄いものに自らの命を犠牲にと仲間たちに強いることは出来ない。

 見ると、草原の民だけではなく、森や山岳に住むエルフたちもその力を示し戦っていた。

「信じてくれたのですね」

 キケト様がわたしを信じ、戦いに加わってもらえないかと頼んでくれたのだ。

 わたしの心が伝わったのだと喜びに震えた。

 わたしに流れる二つの血に誇りを持っていると言いながらその実、一番それにこだわっていたのはわたし自身かもしれない。

「わたしは、いったい何にこだわっていたのか」