「それに、おまえがいるしな」

「え?」

「親友がそうしたなら、それに応えないと」

「セルナ」

「お前さ、自分はだめな奴だって思ってるだろう」

「知ってたの?」

「何年、お前といると思ってる」

 お前がいたから、俺は頑張って近衛になることが出来たんだ。

「なんで?」

「自分が強いってこと、忘れているな」

 俺の言葉ばっかり気にして、自分の強さを忘れるなんて本当にお前らしいよ。

「そうだっけ?」

「これだからなあ」

 呆れて頭を振る。

「そういうところもお前らしくていいんだけどね」

 俺はお前に勝ちたい気持ちから頑張ってきたんだぞ。

「そうなんだ」

 オレ、お前の役に立ってたんだな。

 誰かの役に立っていたことが嬉しかった。

「気にさせて悪かったな」